好きなアルバムの紹介です。題名にフュージョンと銘打っておきながら他のジャンルの曲も入ってます。お許し下さい。
フュージョン系7枚、ジャズ系2枚、R&B・ソウル系1枚、全部で10枚になります。
フュージョン系
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1. ジャコ・パストリアス / Jaco Pastorius (1976)
邦題:ジャコ・パストリアスの肖像。とにかくジャコ・パストリアスというベーシストの良さが存分に含まれているアルバムです。1曲目のDonna Leeはビバップジャズの名(難)曲のカバーなのですが、それを知らずとも「え、何?」と初っ端から度肝を抜かれます。いきなりエレキベース1本だけの演奏、しかも絶句するほどの速弾き。ベースだってギターその他の楽器のようにもっと自由に演奏していい楽器なんだ! という可能性を突き付けてくるわけですが、それにしてもベースって弦が太くてその分弾きづらい楽器なわけで。ジャコの超人っぷりが伺えますね。フレットレスに改造したベースが唸ります。
Kuru / Speak like a childは、今年グラミー賞を受賞したThe 8-bit Big Bandが出だしにがっつりオマージュしてますね。そうすればフュージョンオタクが喜ぶとでも思ってんでしょうね、まったくもってその通りだよ。しかもKuruに飽き足らず曲中でチック・コリアの名曲Spainすらもオマージュしている。好き
曲と曲の合間にひっそり挟まれているベースソロの曲、Portrait of Tracyは必聴です。美しいハーモニクスが特徴。こんな繊細な響きがエレキベースから鳴っているとは…。本当に、本当に良い。
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2. Weather Report / Heavy Weather (1977)
言わずと知れたフュージョンの名アルバム。俄か勉強で恐縮なのですが、やっぱり好きなので挙げておきます。前述のジャコ・パストリアスが参加していたバンドです。
ポップで楽しくて、とにかく聴いてて楽しいアルバム。1曲目Bird land、8曲目Havonaは必聴です。Havona、最初浮遊感あるシンセが彩ったかと思えば、満を持してベースがフルスロットルの猛進撃を繰り出してきます。マジでかっこいいです。
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3. Snarky Puppy / We Like It Here (2014)
大好きなアルバムです。
Snarky Puppyは日本人の小川慶太さんも参加されているバンドで、リーダーのマイケル・リーグを中心に、2004年のデビュー以来精力的に活動を続けています。最近だと’21年に「Live At The Royal Albert Hall」というライブアルバムがグラミー賞を受賞しています。
さて今作、演奏収録時に観客を集めて一発撮りをした(その時の様子を全部動画で撮影していて、そのDVDがCDと一緒に販売されている)というめちゃくちゃなアルバムです。演奏者の技術の高さがうかがえます。20人弱の演奏者の中にギターが3本という異様な編成の曲があったり…。パーカッションが独特な楽器を数多く使っているのも面白いです。
最後の曲Lingusでキーボーディスト、コリー・ヘンリーが長いソロを担当しているのですが、ここで隣で待機してるショーン・マーティンが感極まって顔を抑えてるのが好きです(6:40くらい)。いいソロだもんな。ショーン・マーティン自身も3曲目Sleeperで激アツソロをかましています。
アルバム中2曲目、What about me? に関して、ドラマーのラーネル・ルイスが丁寧に「叩いてみた動画」を出してくれています。
……人間びっくり大会かな?
コロナ前は、年一で開かれるジャズの祭典「東京JAZZ」に来てくれる、気軽に会いに行ける海外アーティストでした。状況落ち着いたら、ぜひまた来てほしい。
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4. ファンキー・ナックルズ / Meta-Musica (2014)
スナパのマイケル・リーグが立ち上げたレーベル「groundUP」からデビューしたのが彼らThe Funky Knucklesです。比較的少人数の編成、この人たちも人間びっくり大会なメンバーです。2曲目の16 Barsがかっこよくておすすめ。ここ1年くらい公式youtubeチャンネルの更新がない。多分メンバーが他のバンドのサポートで忙しいんだと思います。ベースの人はマーク・レッティエリの動画にもいたし。それにしてもなんか曲出してほしい。
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5. Kwinton Gray Project & マーク・レッティエリ/ Leap of Faith (2018)
The Funky Knucklesのキーボーディスト・Kwinton Grayと愉快な仲間たちによるアルバム。全曲かっこいい。中でもSpace Monkはねえ…いや、マジでかっこいいんですよ。かっこいい。かっこいいので聴いてください。
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6. マーク・レッティエリ / Deep: The Baritone Sessions (2019)
スナパ所属のギタリスト、マーク・レッティエリと愉快な仲間たちによるアルバム。全曲疾走感あふれるかっこいいやつです。Daggertoothの出だしで「何が始まるんだろう?」とわくわくさせておいて、最後Architeuthisはみんなで歌ってクラップして終わるという締め、もう流れが完 璧。聴くと元気が出る1枚です。
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7. パット・メセニー / Letter from Home (1989)
南米音楽とジャズを掛け合わせたアルバムらしいです。確かに南洋の風が吹き抜けるような爽快感、日曜の午後に聴いて自然と笑顔を浮かべちゃうような、そんな雰囲気です。卓越したパット・メセニーのギターが終始炸裂していながら、押しつけがましくなく、とてもナチュラルで聴きやすいのが良さだと思います。1曲目のHave you Heardを一回耳コピしようとして、序盤から7/4拍子と4/4拍子が入り乱れる鬼畜仕様で泣いた覚えがあります。変拍子でまぜこぜになっていても複雑さを感じさせないのは、やはり民俗音楽がベースになっているからでしょうか。
ジャズ系
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8. ビル・エヴァンス / From Left To Right (1970)
ジャズピアノの巨匠・ビル・エヴァンスのアルバムです。アコースティックピアノの印象が強い彼ですが、このアルバムでは当時最新機器だったエレクトリックピアノを扱っています。ストリングスとの調和が美しくてうっとりしちゃいます。
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9. CARLOS FRANZETTI / Grafitti (1977)
ラテン、ジャズなどをミックスした曲調のアルバムで、軽く踊り出したくなるような、それでいてお洒落な曲が詰まってます。特にCocoa funkという曲が好き。フェンダー・ローズ(エレクトリックピアノの代表機種。今はもうヴィンテージものしか出回っていない。作られた年代によって音が違うらしいです)の、どこか温かくて、鉄琴のようなかわいらしさがあり、それでいて軽快な音色が楽しめる一枚です。以前はストリーミングにもあったのですが、今もう無くなってしまった…。恐らく再販の可能性がないので、手に入れるとすれば中古を探す他ないのが歯がゆい。
R&B、ソウル系
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10. ロバート・グラスパー・エクスペリメント / Black Radio 2 (2013)
ジャズピアニストであるロバート・グラスパーと愉快な…というか大物ばかりを集めてさいきょうのアルバムを作ったらこうなりました、というアルバム。なぜだか知らないが、グラスパー、時々サマーソニックに来て演奏してくれる。なんで?
波が寄せるように静かに始まったかと思うと、2曲目のI Stand Aloneでしっかりと地に足が着き、そこから世界が展開していく。4曲目Callsには本当に毎度驚く。ジル・スコットが最後「ンフフフ」「へへへ」って笑うんですよ。曲中で。体が楽器だから笑っても音楽なんだ(?)
特に9曲目のLet it Rideが好きです。ドラムがかっこいい。
今日はこれくらいで。