呪261話「人外魔境新宿決戦㉝」感想

乙骨が五条の体を乗っ取ったことについて

  • 乙骨が目を開いた、あの見開き開けた瞬間に、一挙に虚脱感と寂しさが襲ってきてただただ悲しかった
  • 五条を一人で怪物にしたくない、自分が五条に追いつくことで五条を一人にさせないという乙骨の気持ちはわかるし、そのためにどんな手段を用いてでも敵を倒したいという姿勢はわかるけど、その手段が生理的に受け入れられなかった。
  • 私は乙骨に、羂索のあの気色の悪い術式を使ってほしくなかった。羂索の術式は、「遺体を、その遺体本人ではない別の人間が勝手に操る」という醜悪なものだからだ。
  • 羂索は夏油の体を勝手に操り、好き勝手して多方面に著しい被害を出しているわけだけど、
    そうでなくとも、たとえ遺体になる本人が生前に了承していても、その本人が信頼する人が遺体を操ろうと、あの術式は気持ち悪い。
    「死者の体を他人が勝手に操り、外見は本人のように見えている」ことが生理的に受け入れられない。
  • また、皆さん仰ってるように、五条が生きて戻る確証がほぼゼロになったことを突きつけられたことも辛かった。もちろんわかっていたことだけど。五条の額にもあの縫い目があるの、耐え難い。

怪物にならなきゃいけないんだ!! 僕がなる!!

  • ずっと怪物になることを五条先生一人に押し付けて来たんじゃないか!!
    ↑まあそうやね
     
    五条先生がいなくなったら誰かが怪物にならなきゃいけないんだ!!
    まあ五条並の強さのやつがいなくなったら宿儺に対抗できることできなくなるから、可能な限りで五条級の術師が必要やね
     
    誰もなる気がないなら 僕がなる
    ↑ここまではまあわかるんですけど
     
    その「怪物」(強者で、弱者を常に守らねばならず、孤高で侘しい存在)になるために取った手段が、
    なりふり構わずに羂索から奪った術式で五条に成り代わること
    なの納得いかないし、
    五条はそういった「非人道的な手段で勝つ」ゆえに怪物だったわけではなくない?
  • 「『死んで勝つ』のではなく『死んでも勝つ』べきだ」という、勝ちへのあくなき執着があったのはそうだけど
    なりふり構わずに、卑劣な手段を以てしても勝ちを重ねた先の姿って宿儺と変わらないじゃないですか。呪いである宿儺と呪術師、何にも変わらないよ。両者ともに醜悪だよ。
    人は人を守りたいがゆえに呪術師やるし、そのためならどんな手段でも使うって当たり前のことなんですけど、なんでこんなに、私はこのことが受け入れられないんだろう。

唯我独尊なのに「強く聡い仲間を育てた」理由は?

  • 現状、五条が「強く聡い仲間を育てた」理由がよくわからない。五条は呪術界を改善したかった。なぜ?今後生きる者たちにはせめて、自分と同じような辛い思いをしてほしくなかった?強く聡い仲間を育て、呪術界を改善すれば、「未来の夏油」は生まれずに済むのではないかと考えた?「未来の夏油」離反により苦しむ人間を出したくなかった?
  • 育てている後進たちは、仲間ではあるが夏油にはなり得ない。五条は、もう自分と同じような悲しい気持ちを抱える人間を呪術界から出したくなかった。呪術界の環境が良くなり、明るい未来になればいいと思った。そういう環境であれば、離反する「夏油」もいない、辛い気持ちをずっと抱える「僕」もいないから。
  • 夏油は五条の圧倒的な戦闘面の強さにおいて「置いていかれた」と感じている。
    五条は、離反し呪術界から去った夏油に「置いていかれた」と感じている。五条の方は、まるで捨てられた子犬のようだ。
  • 五条は、おそらく、自分が夏油を置いていったから、夏油に置いていかれたことは、新宿思い出横丁以降は自覚しているんじゃなかろうか。そして、育てる後進には、自分に置いていかれるような人間にはなるな、僕と同じくらい強くなれ、と願う。
  • 五条は、自分が寂しいから、その寂しさを、強くなった後進に癒やしてほしいというよりは、未来に、「友に置いていかれる強者」を憂いたのではないか。五条が、夏油の喪失により失った穴は夏油以外では埋め得ない。五条が伏黒に対して願った「僕に置いていかれないくらい」のその実は、「もう僕は置いていかれる側だけど、」「君等は、未来に生まれ出るかもしれない『僕』のことは置いていくなよ」という諦観だったのかもしれない。
  • ただ、ここまで考えて、五条がそこまで、「未来の強者を憂いて慮るほどの義理はなくないか?」とも思ったりする。どうなんだろう、でも、現状呪術界は目先のことばかりしか考えられていなくて、そうじゃなくてこれからの人を思おうよというのが五条の打ち出した「改革」ではあるので、なくはないだろうか。
  • 夏油が離反しても、五条悟の生きる場所は、彼が「最強」である限り呪術界の側だった。五条は夏油と一緒にいたかったので、呪術の法を犯してでも、夏油のいる離反側につきたかったが、自分が最強たるゆえにそれは終生叶わなかった、ということだろうか。

親友が去ったゆえの孤独感と、強者ゆえの孤独

  • 五条は、親友を失って孤独であると同時に、強者としての孤独を抱えている。なんかこの辺ごっちゃになるんよな
  • 長らく五条だけが圧倒的強者だったがために他者と根本では理解し合えず、侘しかった。←強者としての孤独
  • 自分は最強であるため、自分は呪術界を守り続ける必要があり、弱者(自分以外の花)を守り導く必要がある。そのため、夏油の側には行けなかった。←親友を失って孤独
  • まあ、じゃあ地続きなんだな。強者としての孤独と親友を失ったことによる孤独とは
  • 五条が夏油と親友になった理由は作中で語られていないので、なんで五条は夏油のことそんなに大事なんだろう?というのは読者には知らされないままである。
    夏油は自分と同じ特級で、気を遣わなくていい強い奴だから、というのが当初の理由だと思うのだけど、
    その後五条と夏油の力の差が開いたあとも、五条は夏油のこと親友だと思ってたわけでしょう。「強いから」だけじゃなくて、夏油の性格か、力の以外の何かが気に入ったんだろうなと。そうじゃなきゃ10年も引きずらないよね

総監部殺しについて

  • 五条による総監部殺しは、身辺整理の一貫なんでしょうね。表向きは「勝つよ」と言っていたし、乙骨以外の人間は五条の勝利を楽観視していたが、
    五条はリアリストなので、自分は宿儺戦で死ぬ可能性は高いと考えていたし、その際邪魔でしかない総監部は処理しておいた。
  • これに関してはな〜、「総監部を殺さずに改革しよう」としていた、連載当初と五条のスタンスが変わっていて、正直受け入れ難い。そのスタンスが変わった理由が「夏油に追いつきたいから」というのも、わからない。ずっと五条は夏油と一緒にいたかったのはわかったけど、五条は生前ずっと『五条悟』をやらなきゃいけないと自分で思って実行してたのに、なんで急に『夏油に追いつきたい』と言い出すんだ。「常々思っていたことを実行に移した、そのきっかけ」について記載がないから、ここはよく理解できない。戸惑う
  • 真希の禪院家皆殺し、乙骨による遺体の尊厳凌辱、五条の総監部殺しと、全く良くない方法ばかり取って前に進んでいるのが、嫌。
    このまま主人公サイドが勝ったとしても、それは良い方法で得た勝利じゃないし、いつか報いが来るよ、という方法ばかりで、
    こんなひどいことばかりしたのにそのまま主人公サイドはのうのうと生きるんか。納得いかないなぁ。やってることは粛清じゃないか。まあフランス革命とか粛清ばっかだけどさぁ…
    現実で、こんなことしてる人たちが普通に街歩いてたらちょっと嫌ですよ、私は。今の術師たちがその道を歩むしかないほど追い込まれた状況なのは、わかるんですけど。その選択をしたことへの寂しさや、展開の面白さは確かにあるんだけどぉ。

飲んだくれ

  • 嫌なら読むな!?!?!!!!うるせぇ帰れ帰れ!!!!!!!!!!!俺はな、芥見下々に野次飛ばすのが趣味だから!!!!!俺ァな、読むからな!!!!!!!!!!!!最後までツバ吐くからよ!!!!!!!!!!帰れ!!!!!
  • 芥見先生、再来週も楽しみにしてます。